いぶりがっことは
いぶりがっことは、秋田県の内陸南部地方で作られる漬物で、秋田県の名産品の一つです。
秋田弁で燻すを意味する「いぶり」、また漬物のことを「がっこ」と呼ぶことから、この名が付けられました。
今では全国的に知名度のある秋田の「いぶりがっこ」、元々は古くから主に秋田県南部の内陸地方で作られていた、囲炉裏干しの沢庵がルーツです。
室町時代から作られていた、なんて話もあります。

いぶりがっことは、秋田県の内陸南部地方で作られる漬物で、秋田県の名産品の一つです。
秋田弁で燻すを意味する「いぶり」、また漬物のことを「がっこ」と呼ぶことから、この名が付けられました。
今では全国的に知名度のある秋田の「いぶりがっこ」、元々は古くから主に秋田県南部の内陸地方で作られていた、囲炉裏干しの沢庵がルーツです。
室町時代から作られていた、なんて話もあります。
まだ冷蔵庫も普及していない時代、越冬の為に保存食が必要だった秋田県南部の内陸地方の各家庭では大根を干して沢庵漬けを作っていました。
しかし秋田の県南部内陸は豪雪地帯で、更に日照時間も少ないため通常の沢庵漬けの様な天日干しが出来ませんでした。
そこでその地方の人たちは囲炉裏のある室内で大根を干しました。
囲炉裏の煙で自然に燻された沢庵は、ちょっとスモーキーでしたがそれはそれ。
県南の人達はその沢庵を食べて冬を越していました。
昭和30年代、戦後の混乱と復興も一段落した頃。ちょうど「となりのトトロ」のサツキとメイの子供時代。人々はアメリカを始めとする諸外国から洋風の生活様式の影響を受け始め、食生活も変化していきました。
物流も整備され、各家庭には冷蔵庫も普及したおかげで秋田の人達も冬場の食糧難に困らなくなっていました。
他の地域から天日干しの沢庵が手に入る環境だったので、昔ながらの囲炉裏干しを作る家庭は殆ど無くなっていました。
ある時、秋田県湯沢市の漬物屋さんが「昔ながらの燻された沢庵を復活させてみよう」と商品開発を始めます。
囲炉裏もストーブに変わり、生活環境も変化していたので専用の燻し小屋を作り「あえて」沢庵を天日干しではなく燻してみたのです。
そうして誕生したのが、「いぶりがっこ」です。
漬物屋さんの考えたネーミングは秋田弁そのままですが、都会の人にはコミカルなネーミングに聞こえインパクトを与えます。
食べればクセになる味わいのいぶりがっこは、地元の人はもちろん、集団就職で秋田から都会へ出て行った若者には秋田の郷愁を感じられる「昔食べた味」として、また都会の人には目新しく、みるみる人気商品になりました。
地元より東京駅などの都会で先に人気が出た、というのが面白いですね。
現在「いぶりがっこ」は地理的表示保護制度に登録され、特定の製造基準を満たした業者さんによって秋田県の知的財産として大切に作られています。
各社それぞれが燻し方、漬け地、発酵具合など趣向を凝らし個性のあるいぶりがっこで切磋琢磨している所です。
また県南の横手市では、地域の伝統の味を守り続けると共に更なる品質の向上を目指し、毎年「いぶりんピック」といういぶりがっこのコンテストも行われています。
さらに近年ではクリームチーズと合わせるのはもちろんの事、マヨネーズ和えやタルタルソース、いぶりがっこ塩に漬け地を利用したソースなど、様々な加工食品も作られており、秋田のいぶりがっこは更なる広がりを見せているんです。
郷土の歴史と風土、そして先人の知恵を大切にしながら食文化を後世に繋いでいきたいですね。
いぶりがっことクリームチーズは発酵食品同士。発酵食品同士の組み合わせは、いくつもの菌を同時に摂る事が出来、栄養価がよりアップします。
また食味の相性も良く、お互いがお互いのうま味を持ち上げ美味しくなります。
食感も対比的で、ポリポリとしたいぶりがっこにねっとりとしたクリームチーズがよく絡み、バランスも抜群です。
日本酒やワインとの相性が良いのは当然として、スモーキーさがウイスキーにもよく合います。
当社では自家製の甘味噌に漬け込んだクリームチーズと、地元能代は二ツ井梅内の「農園晴晴」さんのいぶりがっこを合わせた「いぶりがっことクリームチーズの味噌漬け」をご用意しています。