春香炭とは

能代市檜山の母体地区で焼き上げられる白炭は「春香炭(しゅんこうたん)」と呼ばれ、火の立ち上がりが早く、香りが良いのが特徴です。

白炭の代表格といえば備長炭です。

備長炭は黒炭に比べて火の付く速さこそ劣るものの、燃焼時間が長く火力が強い点が特徴で、高温で食材の表面をパリッと焼き上げられると、プロの料理人に重宝されています。

ナラの白炭について

春香炭の原料となる木は広葉樹の「ナラ」です。

いわゆる備長炭(カシ類、ウバメガシ)ではないナラの白炭です。

主にカシ類の少ない、東北や山陰地方など様々な地方で製炭されますが、生産量が少なくあまり流通していません。

白炭のため備長炭同様にほとんど臭気がなく、昔から囲炉裏や火鉢、掘りごたつに使われた良質な木炭です。

受け継がれる「炭焼き」

昭和30年頃までは能代でも盛んに炭作りが行われていました。

炭は暖房や炊事など生活に欠かせないものでしたが、家電の普及により需要も無くなり、炭作りは高度経済成⻑の時代とともに衰退をしていました。

もう一度、母体に炭焼きの煙をのぼらせよう!」「能代の炭焼きを復活させよう!」という気持ちから、地域おこしに取り組む県内の大学生「ARCグループ」の協力もあり、平成28年から「母体炭焼きプロジェクト」が本格的に始動しました。

母体の炭づくりは「里山環境保全プロジェクト」の一環として行われています。

都会に出て行った子供達が、『退職したら帰ろうかな』と思えるような故郷にしておきたい」と、窯の制作・炭づくり等の活動をされています。